郡山市/J様邸

「納得できる家づくり」を選んだ、4年前の決断。

子供が小学校へ入学するまでにはマイ・ホームを」と考えていたJ様ご夫妻が、「手始めに」と住宅展示場に立ち寄ったのが4年前。当時、お子様はまだ2歳でしたから、時間はたっぷりあったはずです。にもかかわらず「展示場のすばらしさにテンションが上がった」まま、某大手住宅メーカーとの話が進み、契約に至りました。

ところが「屋根を大きく、軒をたっぷり出したい」「家は家族を守るシェルターだから、基礎の鉄筋はダブルで組みたい」など、リクエストの多くが、そのメーカーの規格外という理由で受け入れられませんでした。「自由設計を謳っていながら…」と不満が募るいっぽうのJ様は、ついに契約の解消を決意します。

自身も不動産関係の会社を経営しているJ様は、「もちろん、手付け金は戻ってこないかも知れない」ことを承知のうえで、それでも「納得できる家づくり」を選びます。幸い、住宅メーカーの対応は紳士的でした。翻意を促す依願はありましたが、最終的には契約の解消を受け入れ、手付け金も全額返してくれました。

「この人が社長の会社なら大丈夫」と確信。

「じつは『信和建設』さんの松内社長は父の知人で、子供の頃から存じ上げていました」とJ様から意外な発言。「それだけに、お互い、かえってやりにくいはずだと思い、あえて『信和建設』さんにはお願いしなかった」そうです。しかし「全く縁故のない住宅メーカーで失敗したのだから、こんどは社長を存じ上げている[ディアロ]に…。(笑)──というわけでもなかったのですが、とりあえず相談に乗っていただくつもりでお会いしたのです」。

もっとも、旧知とはいえ、松内社長は、あくまでもお父上のお知り合いです。しかし「直接お話をさせていただいて、改めて、この人が社長の会社なら大丈夫だと確信しました。今井先生を推薦してくださったのも、松内社長です。もっとも、どんな家を建てたいのかを具体的にお話ししたわけではありませんので、今井先生の”作風”というよりは、私との”相性”を考えてくださったのだと思います」と、4年前を振り返るJ様。

今井氏の設計とは知らずに、気に入っていた家。

前述の大手住宅メーカーとプランづくりを進めていたとき、たまたまチラシで知った[ディアロ]の完成見学会に「参考になるかも」と足を運び、「2人とも気に入って…」とおっしゃる鶴見坦の家が、今井氏の設計でした。

それだけではありません。「富田中学校向かいのカッコいいパン屋さんも、湖南へ行く道沿いにあるステキなおウチも、今井先生の設計だったのです」と奥様。今井氏の設計とは知らないまま、お2人の印象に残った家が複数あったわけですが、それらはすべて、ご夫妻が今井氏と会って、初めて判明したことでした。

余談ですが、もうひとつ分かったことがありました。現在J様の会社が入居しているのが、30年前、まだ設計事務所に勤めていた今井氏が設計したビルだったことです。「縁は異なもの味なもの」と言いますが、縁があったとしか思えない、施主様と建築家との出会いです。

「屋根の大きな、風通しのよい家」とだけ。

某大手住宅メーカーとは、思い通りにならないままとはいえ、あとは着工するだけというところまで話が進んでいたので、「実際に家を1軒建てたのと同じくらい勉強になりました。そして、反省もありました。それは、あまりにもこと細かにリクエストしたことです」と述懐するJ様。「仕事柄、家づくりを”分かっている”という気持ちもあったのでしょうね。もっとも、その分、既成概念のなかでしか発想できていなかったとも言えるわけで、せっかくプロに設計していただけることになったのですから、今度は何も言わずにお任せしようと…(笑)」。

今井先生に初めて会われたときも「好物とか、趣味とか、そんな話ばかりでしたね。家についてお願いしたのは『屋根の大きな、風通しのよい家』くらい」だったそうです。「とにかく全面的に任せてくださったので、設計者としては、とてもやりやすかったです。もっとも、それだけに責任重大でしたが…」と今井氏。

タテの空間処理で、実際の面積以上の開放感を。

今井氏は、道路に沿って横に長い敷地を見た瞬間「この敷地形状を生かさないテはない」と、その場で平屋のプランを提案することを決めたそうです。提案を受けたJ様は「それまでは、家、イコール2階建てと思い込んでいて、平屋という発想は微塵もなかったので、目からウロコでした。そうなんだ、こんな家が欲しかったんだ!(笑)」。

「リビングの吹き抜けも、私は要らなかったのです。でも、今井先生に強く勧められて…。平屋にしたので、リビングも、それほど広くは取れない。その制約をクリアしたのが、吹き抜けによるタテ方向の広がりで、実際の面積以上の開放感があります。結果的には、大正解でした。いえ、”結果的には”ではなく、今井先生にしてみれば、計算づくだったわけですよね」。

さりげなく風格を漂わせながら、街並みに同化。

入居して四季を3度経験。「夏は風通しがよくて涼しいし、冬はガスの床下暖房で寒さ知らず。どの季節も快適です」──「不具合は?」という質問に、お2人とも「思い当たりませんねぇ」と首をかしげます。
「火は家庭の象徴だと思っているので、火を使わないIHクッキングヒーターに抵抗があり、オール電化は考えませんでした。子供にも、火のありがたさと怖さを教えておきたい」とのこと。

「どの部屋からも緑が見えるのがいいですね。でも、私がいちばん気に入っているのは、眺めとは関係のない屋根裏の小部屋。趣味のフレンチ・ホルンを練習するためのスペースなんですが、どの部屋よりも落ち着きます」とJ様。奥様は苦笑い。でも、男性は分かりますよね。
J様邸は、平屋ということもあって、洗練された家並みが続いている一帯のなかで、今井氏の「街並みに同化する外観にしたかったし、J様もそういうお考えでした」という言葉通り、さりげなく、独特の存在感を漂わせています。